なぜ起業しようと思われたのですか?
これまで24年に渡り、看護師や助産師として病院に勤務したり、自治体の職員として母子健康手帳交付の面接、新生児訪問、プレママ教室、プレパパママ教室、産後ケア、乳幼児健診に携わったりしてきました。
最近は出産後の退院が早くなり、母乳のことや授乳についての指導を受ける機会が少なくなっています。おっぱいがどのように変化していくか知らないまま退院を迎え、母乳が出ている気がしない、自分のやっていることが合っているのか分からないと不安を抱える方が多いのが現状です。
韓国には、病院を退院したら育児の練習をしたり、休息をとったりできる産後ケア施設があります。
「日本でもそういった施設を作ることができたらいいな」という思いはずっと持ち続けていました。
自治体の職員として子育ての現場を目の当たりにし、お母さんと赤ちゃんにとってちょうどいい、自分なりの育児を見つける場所を作りたいと強く思うようになりました。
香芝みらい塾で印象的だったことはなんですか?
「香芝みらい塾」が開催されているのは何年も前から知っていました。ただ、受講されるのは、もっと違う業種の人だと思っていたんですね。
大阪で助産所を開いた人から、市が開催している「起業セミナーはとても役に立った」という話を聞き、思い切って応募してみました。サポートの手厚さは噂で聞いていましたが、評判どおりのサポート体制でしたね。
どれだけの利用があれば、施設を回していけるのか、販売チャネル、発信方法など、たくさんのことを学ばせていただきました。
起業する前に不安だったことを聞かせてください
今もその不安は消えていませんが、どういうやり方で収益を確保していくかです。
香芝市には産後ケア事業で利用できる施設がなかったので、助産所開設をとても喜んでいただけました。その点は良かったと思っています。
ただ、顔を知らない、どんな人が施設を運営しているのか知ってもらわないと、安心して利用していただけません。
「育児や母乳のことを気軽に相談できる場所がある」ということを、どうすれば多くの人に知ってもらえるのかは、今も課題ですね。
起業してみて思ったことを教えてください
産後すぐに利用される方は「おっぱいの練習がしたい」という方が多くいらっしゃいます。
母乳育児は毎回の授乳のやり方が大切。赤ちゃんが飲みやすく、おっぱいも出やすい方法を教えてあげることで、変化して帰ってくれるとうれしいですね。
先日も双子ちゃんを同時に授乳するやり方をマスターして帰られました。ママの顔が明るくなったのを見ると、ここを開いて良かったと思います。
こういった助産所を利用して、一人でも多くのお母さんに「出産なんてこりごり」ではなく、「もう一人生みたいな」と思ってほしいですね。
これから起業する人へのメッセージをお願いします
自分で温めている構想があるなら、ぜひ表に出してみてください。
私には医療者側の目線しかなかったので、「香芝みらい塾」を受講して気付いたことがたくさんあります。考えているだけで、事業化できるのかどうかを悩んでいる人は多いと思いますので、ぜひ「香芝みらい塾」で相談してほしいです。